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 改組 新 第 5 回 日展 「授賞作品」

日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書
「授賞作品」

公益社団法人 日展
(令和 1 年 7/6〜 7/28 岡山展
岡山県立美術館 天神山プラザ)
巡回展は終了しました。

日展 111年 改組 新 第5回日展  ('2018 11/2〜11/25) 国立新美術館東京・開催。

改組新第五回日展を迎えて 改組 新 第五回日展は、昨年の文展開催以来 110 年、110 回目という記念すべき展覧会に続く、111 回目の展覧会となります。 また、今回は平成時代の最後を飾る日展として、精一杯の努力をして輝かしく開催いたします。 さらに、会場である国立新美術館において日展と同時期に 「東山魁夷展」 が開催されることも、とても感慨深いものがあります。 日展は、五年前の改組 新 第一回展より改革を掲げ、混乱のなか、痛みを伴う試練の時も日展会員全員で乗り越えて参りました。 次の新しい時代に向かって、新生日展として蘇る覚悟でございます。 日展を応援して下さる賛助会員 「日展パートナーズ」 の皆様にも大きなエールを送っていただいております。 日展会員全員がその御心に応え、それぞれが自分の信念、個性、情熱を持って芸術活動に邁進して参る所存でございます。 日展が毎年盛況に開催できますのも、多くの皆様方の御支援と出品者全員の努力あっての事でございます。 ここに深く感謝と御礼を申し上げる次第でございます。
(公益社団法人 日展 理事長 奥田 小由女) ― 「改組 新 第五回日展作品集」 より― 


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山ア 隆夫《何処へ》
佐藤 哲《冬の一隅》
山本 眞輔《心の旅―光の舞―》
今井 政之《紫暮の渚壺》
新井 光風《參 和》
山ア 隆夫
公益社団法人 日展
理事
日本芸術院会員
5th 《何処へ》
日本画
佐藤 哲
公益社団法人 日展
理事
日本芸術院会員
5th 《冬の一隅》
洋画
山本 眞輔
公益社団法人 日展
理事
日本芸術院会員
5th 《心の旅―光の舞―》
彫刻
今井 政之
公益社団法人 日展
顧問
日本芸術院会員
5th 《紫暮の渚壺》[陶]
工芸美術
新井 光風
公益社団法人 日展
理事・審査員
5th 《參 和》


改組 新 第 5 回 日展 「授賞作品」
文部科学大臣賞・内閣総理大臣賞・東京都知事賞



文部科学大臣賞(2名)


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日本画《暮れゆく時》村居 正之

文部科学大臣賞 日本画 《暮れゆく時》
村居 正之 会員・審査員
・71歳

 「暮れゆく時」と題するこの作品は、モンサンミッシェルをモチーフにしていることが分かる。 画家はこれまでも、主として海外の古蹟にその画因を求め、作画のイメージを拡げることで独自の絵画世界を構築して来た。 それは青い色彩による静かな深い詩情をもって表現されていた。
 本作品は、画家が更に新しい世界を目指して、茜色(暗紫色)の夕暮れに浮かぶ、モンサンミッシェルを写実ながら自らの心象の風景として見事に結実させているところが高く評価され、文部科学大臣賞を与えるに相応しい作品であると判断した。



文部科学大臣賞 洋画 《新雪の河畔》
町田 博文 
会員・64歳


 永年人物画を続け、その表現力はもとより風景と組合せる事で
作者自身の感性と女性にたくした旅情を表し、
今回は色調は押え気味ながら完成度の高い佳作となった事が評価された。

洋画《新雪の河畔》町田 博文


内閣総理大臣賞(3名)


彫刻《合歓の花》笹山 幸コ

内閣総理大臣賞 彫刻 《合歓の花》
笹山 幸コ 会員
・77歳


 見る者の心をやさしく包みこむ女性座像である。
人々の幸福を願う穏やかなほほえみが印象深い。
古代ギリシアのアルカイックスマイルと仏像の慈悲の表情とを併せ持っている。
東西の彫刻美を融合させ、現代の彫刻に昇華させた表現力が高く評価される。



内閣総理大臣賞 工芸美術(漆) 《永》
佐治 ヒロシ
(本名:央) 会員・69歳


長年にわたり漆の立体造形に取り組んできた本作は厳しくも魅力的な作品である。
麻布を貼り重ねて造形し、表層に乾漆粉を蒔き、造形に力強さを与えている。
部分に展開する朱漆の色は未来への入り口であり、
艶のある黒色は過去への憧憬でもある。
とこしえに続いていくものは時間、空間を超えて人の心にあり、
始まりも終わりもないものである。

工芸美術《永》佐治 ヒロシ


書《吉野山》高木 厚人

内閣総理大臣賞 書 《吉野山》
高木 厚人
 会員・審査員・65歳


 仮名特有の文字の連綿が自然と働きながら線の潤渇をうまく使い全体に抑揚が見られ、奥行を感じさせる。
仮名の散らし書きが力むことなく構成されており、完成度が高い作品となっている。 渇筆に弱いところなく、全体をひきしめている。



東京都知事賞(5名)


日本画《白映に赤》長谷川 喜久

東京都知事賞 日本画 《白映に赤》
長谷川 喜久 会員・審査員
・54歳


 作者は、鮮やかでインパクトの強い色彩を駆使し、人物や動物主題の構成表現に取り組んできた。 今回は一転彼岸花の咲く水辺の景に着眼し、作者独特の白と赤の対比をクローズアップして見せている。 極めて限られた期間、こつぜんと現れる自然の色彩の劇的変化をとらえ、うつろう空や季節の空気感まで感じさせる新たな境地を拓いている。
これまでの研究成果が伝統的青緑山水の現代的個性的解釈にまでつながる可能性があり、今後の展開にも期待する。



東京都知事賞 洋画 《ECHO−アトリエの裸婦》
寺久保 文宣 会員
・54歳


 この題名からでも推察されるように、画才、文才共に併せ持つ異才である。
日展洋画のアカデミズムの中で、唯一欠けていた一角である。
つまり色彩、形体と共に理論を礎にした感覚派なのである。
予ねてから寺久保絵画に着目し、洋画の中で居場所を求めていた。
この度の受賞は日展洋画の幅を革命的に拡げ、
日展の将来に曙光を与えるに相違ない。

洋画《ECHO−アトリエの裸婦》寺久保 文宣


彫刻《harmony》工藤 潔

東京都知事賞 彫刻 《harmony》
工藤 潔 会員
・77歳


 「排除」や「敵対」の声が大きい時代に「包摂」や「共生」はなかなか実現できない。
作者の願い「ハーモニー」、まさに音楽の精神である。
作品を前にすると慎ましやかな躍動感と澄んだ声の女性コーラスが聴こえてくる。
芸術の中でも彫刻は「パブリック・アート」の役割が大きい。
この作品が設置され人々が目にすると自然に社会や世界が調和のとれたものと願わざるを得ない。 つまりアートが社会をつなぐことをこの作品は実現させている。
優しく和ませる、そして分かりやすい秀作である。



東京都知事賞 工芸美術(人形) 《森の詩》
渡辺 洋子 会員・審査員
・82歳


森の樹木の美しさ、四季それぞれの美しさを詩(うた)い、
作者の幼少の頃からの想いであろうか、
妖精が住むという森へのロマンを樹木と妖精を効果的に配置して、
あたかもオペラの一シーンであるかのような美しい空間を構成している。

工芸美術《森の詩》渡辺 洋子


書《藤田東湖詩句》中村 伸夫

東京都知事賞 書 《藤田東湖詩句》
中村 伸夫 会員・審査員
・63歳


 藤田東湖の和文天祥正気歌を、中国の古代文字で三行に揮毫した力作である。 独特の運筆と造形が作品に奥行きを与え、味わい深い躍動感に溢れている。 余白を引き立てる紙面構成や、洒脱な落款も見事。


・作品受賞理由の批評は日展評です。
(陳列点数、日本画 305点、洋画 648点、彫刻 246点、工芸美術 558点、書 1,187点 合計2,946点)


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